2009年10月11日日曜日

ポレポレ

今まで週末はナイロビに行ったり人に出会ったりしており、それなりに忙しく過ごしていたのだが、珍しく今週末は特に予定がない。
本当は、日本に姉妹がいるという月曜日に出会ったケニア人の家に遊びに行く予定だったのだが、昨日予定の確認の電話をしたら忙しいからやっぱり無理との返事が返ってきていたのだった。
ケンは昨日の夕方からナイロビに行っており、なのでカジャドゥに私1人。

10月も上旬がもう過ぎ去ったのだが、この10日間を振り返ってみると、大して仕事をしていないことに気づく。
前回のブログにも書いたように、一度、HIV感染が疑われた男性をVCTセンターに連れて行ったのが、それだけのためにほぼ2日を費やす。
PE用のIDカードのフォームを作ったのだが、それも大した時間はかからなかった。
(ただ、ポレポレと仕事をするケンは、そのフォームに写真や名前、その他の情報を入力する作業をいまだに終わらせていないのだが)
その他にも、配布用のコンドームを病院に取りに行ったり、APHIAⅡの報告書関係の作業が若干あったのだが、それとて大した仕事ではなかったように思う。
日本に比べ、消化している作業量がとても少ないように感じる。

今まで前任者が掛け持ちという形で担当していたここカジャドゥの業務。
そこに専属でケンが配置され、さらに私が加わっているわけなので、仕事が少なくても当然なのかなとも思う。
ここに来た当初は、前任者がまとめていなかった資料をまとめたりの作業があったが、それも終わってしまうと日常業務と呼べるものがあまりないのだろう。
交通費の補助が出ないため、ケンはカジャドゥ市内以外のプロジェクト地にわざわざ行ってPEの活動を見ようとはしたがらないし、今週はIDカードの作成という、ケンにとってはハードワークがあったので、カジャドゥ市内のPEの活動にも顔を出していないし。

そんなことを言っている私も、すっかりと彼らのポレポレとしたペースに慣れ切ってしまっている。
そして、何もすることがないとき、日本から持ってきた英語の単語帳を眺めたりするのである。
最近のマイブームは、データ管理ソフトであるマイクロソフト・アクセス。
今までほとんど触れたことがなかったのだが、APHIAⅡの報告用にアクセスが今月から導入され、そこでアクセスの面白さに気づいたのである。
以前に陸上部の主務をしており大会の記録の管理などをしていたのだが、アクセスがあればそんな作業が楽にできたんじゃないかななどと思いながら、ここ1週間少しずつ勉強中。

が、考える。
体も頭ものんびりとしたこんな生活を送るためだけにわざわざここまで来たのかと。
医学部の6年の中でも一番得るものが大きいと思われる5年目を休んでのこの1年。
この期間で自分なりにゆっくりと考えたかったこと、ヒントを見つけ出したかったこともあるし、研修中に私なりに現地のために何か生み出せるものがあればと思っている。
が、そんなモヤモヤをカタチにするような行動をいまだに起こせていないのが現状。
カジャドゥにいられるのも残りあと1ヶ月ほど。

ケニア人のようにポレポレと生活するのに慣れるのはいいが、頭の中までポレポレになってはいけないのだろう。
焦らず腐らず。

そんな土曜日の昼。
電車も自転車並みの速さでポレポレと進みます。