2009年10月3日土曜日

名前

最近仕事について書くネタが思い浮かばないので、今回は私の名前を中心に話をさせてもらいます。

名前。
ご存知の方もそうでない方もいらっしゃるかと思いますが、私の下の名前は「おさむ」です。
日本人以外にとっては発音しにくいようで、自己紹介をするときはいつもどうやって名前を覚えてもらえばいいか迷います。

ナイロビにいるときは名前を短くし「サム」と呼んでもらっていました。
ナイロビでのホストだったキムも、本当はキクユ族系の長い名前なのですが、彼も周りに名前を覚えてもらうためにニックネームとして名前を短く呼んでもらっており、私もそれに倣って「サム」と呼んでもらうことにしていました。
また、「オサム」が「awesome」に似ていて、あまりよくないのではないかと言われたのもひとつの理由。
さらには、かの有名なオサマ・ビン・ラディンの「Osama」に発音が似ているというのが最大の理由。
9・11以降、日本人以外に「オサム」と言っても、「ああ、あのオサマ・ビン・ラディンのオサマね」といった言葉が返ってくることが多く、どうしてもそれが嫌で「オサム」ではなく「サム」と自己紹介するようにしていたのでした。

「サム・Sam」も悪くない名前だったのですが、ひとつ問題があるとしたら「some」と発音が似ているところでしょうか。
「some」は使用頻度の高い単語なので、よく自分が呼ばれているのかと勘違いすることがありました。

ですが、今ADEOのナイロビオフィスやカジャドゥでは「オサム」と自己紹介しています。
というのも、初めてADEOのオフィスで自己紹介をしたとき、ケンに「オサム」もそんなに呼びにくくないよと言われたからです。
それ以降、ずっと「オサム」と自己紹介するようにしています。
が、当のケンは私のことを「オサミ」と呼び、正しく発音してくれません。
時々、私の名前の入った書類などを見て、思い出したかのように「オサム!」と笑いながら名前を読んだりすることもあるのですが、呼び方が直る気配はない様子。
彼の影響でカジャドゥオフィスのみんなも「オサミ」と呼ぶので、今では「オサミ」のほうが慣れてしまっています。

なお、私の通っているネットカフェはイスラム系のお兄さんが経営しているのですが、彼などは私のことをわざと「オサマ」と呼びます。
イスラム教徒以外から「オサマ」と呼ばれるときは、笑いながら「オサマ」と呼ばれることが多く、それがどうも嫌だったので「オサマ」と呼ばれないようにしているのですが、イスラム教徒からは笑いながらそう呼ばれることはあまりありません。
本物の「オサマ」に対して少なからず共感を抱いている人も多いようですし、アラビア語で「オサマ」とは「ライオン」の意味らしく、彼らにしてみれば「オサマ」は決して悪い名前ではない様子。
なので、彼らから「オサマ」と呼ばれるときは、特に訂正せずにそう呼んでもらっています。

カジャドゥでのもうひとつの名前は「カン」。
同じ集合住宅内の子供たち、特に英語の分からない3歳位の子供たちや、近所の子供たちからそう呼ばれます。
ケニアの子供たちはアジア人を含めた白人を見ると「ムズング!(白人の意)」と声をかけてくるので、ここに来た当初は、「カン」もその類なのかと思っていました。
が、話を聞いてみるとそうではないよう。
私がカジャドゥに越してくる半年ほど前まで、韓国人建設業関係者の2人組みがその集合住宅内に暮らしていたらしく、そのうちの1人が「カン」さんだったようです。
英語の通じる子供たちにはもうちゃんとした名前、「オサム」と呼んでくれるのですが、それよりも小さい子供たちにとっては私は相変わらず「カン」のまま。
用事が終わって集合住宅の門を開けると、今でも彼らは「カン!」「カン!」といって駆け寄ってきてくれます。
「カン」は誰にでも呼びやすいようですし、中途半端に「オサミ」と呼ばれるよりも気持ちがいいので、彼らにはそのまま「カン」と呼んでもらっています。

ちなみにもう1人いた韓国人は「キム」さん。
家の近くの子供の何人かは私のことを「キム」と呼ぶのですが、あまりにも韓国風な名前なので私はあまり気に入っていないのですが、こちらは子供の間ではあまり普及していない様子。
カンさんの方が子供と親しくなっていたのでしょうか。

ナイロビにいる研修生の1人に「雄大」くんという日本人の友達がいるのですが、彼にとっても何と呼んでもらうかは問題なようです(口に出してみたら分かるでしょうか)。

ケニアの特に若い人たちは、いかにもケニア的な名前よりも、西洋的な名前、キリスト教の聖人に由来する名前が多い様子。
ミドルネームでおじいさんやおばあさんの名前を引き継いでいたりもするようですが、傍から見ていると伝統的な名前が減っていくのは残念な気もします。
その国らしく、同時に外国人にも覚えてもらいやすい名前というのは難しいですね。