8月3日
エア・インディア、ムンバイ発ナイロビ行きの便に搭乗。
T野くんと飛行機の前の方に隣同士で座る。
翼が視界を邪魔せず、窓の外の景色が楽しめると思って喜んでいたら、スクリーンが壊れているからと後方の席に移動させられる。
機内はがらがらで、搭乗率は数割といったところ。
いかにもインド人といった感じの人や、イスラムっぽい人が多い。
日本人はT野くんと私、そしてテレビの撮影にエチオピアとマリに行くというディレクターさんの3人のみ。
不思議なことに黒人と思しき人がほとんどいない。
なぜだろう。
前の席に座るインド人のおばさんは、親戚がケニアにおり、何度かケニアに来ているという。
ずっと雲ばかりであったが、ナイロビまで残り1時間といったところで、雲の切れ目があり陸地があることに気がつく。
乾燥した土地なのだろうか、黄土色の大地が広がっている。
そして蛇行した、細く頼りなげな川が一本。
初めて目にするアフリカ。
ここにきて初めて自分がアフリカに向っているのだと実感が沸いてくる。
テンションがあがる。
そしてナイロビ着。
空港職員が当然ながら皆ケニア人。
そう、ケニアに着いたんです!
アイセックのケニア側の僕の担当がワンブイという女の子で、その兄のキムが空港に迎えに来てくれる。
空港の駐車場に停まっている車のほとんどは日本製。
ケニア大使館のある日本の自由が丘で見かける高そうな車なんかよりも、こっちの方が日本車が多いのではないだろうか。
特別古いような車が多いわけでもなく、ナンバープレートを見なければ日本の駐車場と変わらないような雰囲気。
あたりはすでに暗くなっており、空港からキムの家へと向かう。
実際の研修地はウガンダとの国境の町ブシアなのだが、その前に1週間ほどナイロビ市内に滞在することになっており、その間にホームステイさせてもらうのがキムとワンブイの実家である。
空港から家へと向かう道。
日は完全に落ちているのに、道端を多くの人が行き交い、そして露店が開かれている。
まさに雑踏。
道を走る車も、空港の駐車場とは違い、新車に近いようなものから日本では見ることのないようなオンボロの車までが走っている。
生活のにおいを感じる。
キムの家は、庭はないながら比較的大きな家だった。
決して豊ではないこの国で、子供達が大学まで行くことの意味を、3階建てのこの家が教えてくれているような気がする。
今キムの家にいるのはきむのお父さん、お母さん、そして妹のワンブイとのこと。
3人兄弟なのだが、一番上はオーストラリアにアイセックで研修に行っているという。
両親に挨拶するのだが、アジア人が家に来たことに特に大きな反応はなく、「あら来たのね」といった感じ。
反応の薄さに少し驚かされたが、今までにもアイセックの研修生を受け入れており、日本人も以前に2人来たことがあるのだと聞き、私の受け入れが特別なことではないのだと分かり納得。