先週の火曜日にブシアに到着してから、1週間が経とうとしています。
今回はブシアの町の様子などを中心に話をさせてもらいます。
先週、午前7時ナイロビ出発、午後4時ブシア着のバスに乗ってブシアに来たのですが、窓から見える景色はナイロビからカジャドゥに向かうときのそれと違い、緑豊かで興味の尽きないものでした。
朝が早かったので最初の数時間はうとうとしていたのですが、それから目を覚まし外を見ると、丘一面に広がるトウモロコシ畑。
ケニアの主食、ウガリの材料であるトウモロコシの粉になるのでしょうか。
12時ごろに通過したケリチョという町の周辺は、トウモロコシに代わりお茶畑が広がっていました。
砂糖のたっぷり入ったミルクティーはケニアのどこの食堂でも見ることができ、また、茶葉はケニアの主要輸出産品でもあるので、ケニア国内でかなりの量の茶葉が生産されているのでしょう。
それからしばらくすると、今度はサトウキビ畑。
この日の朝、バスの待合室で見たテレビで、砂糖産業の汚職事件のニュースがあったのをふと思い出します。
さらに西に向かって進んでいくと、段々と畑の規模が小さくなっているように感じます。
畑と共に面白かったのは、牛やヤギの様子。
カジャドゥ周辺ではマサイ族がやせたヤギや牛を連れ、草を求め移動しながら放牧している様子をよく見かけるのですが、ここでは柵の中で放牧されていたり縄でつながれていたりします。
マサイの土地で家畜をそんなふうに飼ったら、草が食べられずに家畜はすぐに飢えてしまいそうですね。
それなのに、こちらの家畜の方がふっくらしているようにも思います。
さて、途中の小さな村々で途中下車のお客さんを降ろしながら、予定通り4時ごろにブシア着。
予想していた通り、バス停まで迎えに来てくれるはずのブシアのスタッフの姿は見当たりません。
これがケニアに来て間もない頃だったら、バス停で一人で人を待つのはかなり心細かったでしょうが、今はそんなこともなく町の様子をのんびりと眺める余裕ができていることに気づきます。
しばらくそこで待っていると、後ろから私の髪の毛をくしゃっとする手が伸びてくるのです。
驚いて後ろを振り向くと、いたずらっぽく、満面の笑みをたたえた長身の女性が立っており、「あなたがオサムでしょ」と声をかけてきます。
今までのカジャドゥでの3ヶ月がなかったらびっくりしていたでしょうが、私も負けじと笑顔を返します。
そう、彼女がこれからブシアで一緒になるMarcellaでした。
そんな茶目な彼女との出会いからブシアでの生活はスタートしました。
乾燥したサバナ気候のカジャドゥ周辺と、国内でも降雨量の多いケニア西部の町ブシアとでは、同じ国の中にありながら植生はかなり趣を異にしています。
ボケーっとしていたら人間も動物も死んでしまいそうな乾燥した土地と、緑豊かでたわわに実を付けるバナナの木を見かける土地とでは、人間の価値観も変わってくるのかなとは思いますが、私の貧しい観察眼では人々の様子からそこまでの違いを読み取ることはできずにいます。
ただ、同じ田舎の町ながら、カジャドゥとブシアでは町の様子がかなり違っているのはよく分かります。
いろいろと違いはあるのですが、一番に気づくのは、ブシアでは自転車がとても多いということでしょうか。
個人用の自転車もあるようですが、道を行きかう自転車の多くは、ボダボダと呼ばれる、タクシー代わりの自転車なのです。
カジャドゥで自転車に乗っているのは、水をお客さんのところへ届ける売り子さんで、タクシー代わりの自転車は全くなかったので、たくさんのボダボダが道を走り抜ける様子は私にとっては新鮮でした。
また、カジャドゥにもタクシー代わりにバイクはあったのですが、マタツ乗り場と夜の飲み屋周辺で見かけるくらいであまり一般的な乗り物のようではなかったのですが、ここでは広く庶民の足になっているようです。
国境の町ブシアでは、国境付近がにぎわっており、そこから同心円状に町が広がるのではなく、国境を貫く道沿いに商店などが並んでおり、町が細長く引き伸ばされたように広がっているのです。
そのため、庶民の生活の場と仕事場や町の中心が少し離れており、こうやってボダボダが庶民の足となっているのでしょうか。
また、町周辺の様子もカジャドゥとは異なっており、その点も新鮮でした。
行政区分としてはWestern Provinceの中、Busia District、Busia Townという階層になっているのですが、Busia District内のいくつかの村でプロジェクトがある関係で、それらの中のいくつかの村にも先週末行ってきました。
村と村との距離はかなりあるのかなと思っていたのですが、マタツで10分ほどで隣の村にいけるのです。
また、村と村の間も、人の住まないような森や草原が広がっているわけではなく、畑が広がっていたりするので、その間も連続した人の活動範囲になっているようです。
隣の街まで何十㎞もあり、その間は基本的にサバンナの草原が広がっているというカジャドゥ周辺とはかなり様子が違うようです。
他にもカジャドゥとの違いを感じる点はありますが、上の2点が今までに私の感じた最も大きな違いでしょうか。
個人的な生活環境もケンとの共同生活からホテルでの一人暮らしになり、そこも大きな違いなので、これから報告できたらと思います。